令和6年1月1日

令和6年の元旦、父が息を引き取った。享年73歳。膵臓がんからの転移による肝臓がん。

 

その日の午前中、妻と子と見舞いに訪れた。前日に食べ物を肺に入れてしまった為食事は取れてないとのこと。呼吸器もつけていた。

 

腹が減った。と何度も言っていた。

看護師に聞くと何かジュースなどを買っていただければ、こちらで口を湿らす程度の行為は行います、とのこと。

病院の自販機でなっちゃんのりんご味を買う。看護師が見当たらず、とりあえずなっちゃんを病室のテーブルに置いて一旦帰宅した。

 

夕方、子を寝かしつけながら一緒に寝ていたら母から病院から電話があったと急いで支度をしていた。子を妻に預けてタクシーを呼ぶ。正月の為タクシーの稼働数が少なく20分程度かかるとのこと。家の前の郵便局で待っていると地面が揺れている。母に言ってもわからない、気づかないと言う。かなり気が動転しているのがわかる。

タクシーが来て乗車するとラジオから避難を叫ぶアナウンサーの声が。石川で大地震があったとのこと。

 

病院に着くと父はまだ息をしていた。僕と母と叔父2人が囲む。

そのうち口が動かなくなる。宿直医が来て瞳孔と脈を確認。

お昼に看護師がジュースに気づいてくれて、父の口に含んでくれたそう。

美味しいと言っていたと聞く。何気なく買ったなっちゃんのりんご味。なんだか特別なジュースなってしまった。